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CANYON ROCK
A&F COUNTRY FLAGSHIP STORE
HIGASHI-SHINJUKU  TOKYO (2011)
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●ストアデザインとコンセプトについて

 このプロジェクトにおいて、私が特に意識したのは、クライアントであるA&FのCI(コーポレート・アイデンティティ)である、Co existence human & nature(人と自然の共存)、この理念であり、これを、『売り場』という使命を背負ったこの場所にいかに反映させるか、ということでした。

 当初この問題は、私にとってとても難しい問題のように思えました。ですが、多くの試行錯誤のなか、改めてA&F社のCIを読み返してみると、実は答えはそこに出ていたのです。

「自然と共存するためには、自然を理解することが必要であり、自然を理解するためには、自然に学ぶことが必要、そして、自然に学ぶためには、自然へと出かけていくことが必要だ」、ということでした。

ポイントになるのは、「フィールドへと出て行く」、この部分です。ですので、私は今回、ここA&Fに来るとフィールドに出掛けたくなるような、そういった場所にすることを、デザインする上で心掛けました。そして、私たちがフィールドへと行きたくなる条件というのが少なくとも2つあることに気付いたのです。

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このウッドウォールの作成は困難の連続でした。

デザインもさることながら、クライミングボルダーとして成立させるための、ホールドやクラック、フレークの設定、更には構造の設計、接合部の仕組みに至るまで、全てが前例のない、初めての作業。

いつものカービング作業も、なにせこれまでに経験したことのないボリュームサイズに全体感がつかめず、最後まで苦労の連続でした。

しかしながら、チームの理解と協力もあり、何とか完成にこぎつけることができました。

「色々難しことあってもさ、お前の夢をつぶすわけいかねぇから」と呟いた相棒の言葉。私は忘れません。

私たちにとって初めてのショップデザインの仕事。

オープン前日のセレモニーでの夜。

晩夏の心地良い風が吹いていて、友と仲間と、こんな風にビールがうまい。

とても幸せを感じた私なのでした。

ひとつは、新しい何かを手に入れたとき。

新しテント、カヤック、ランタンやマグライト、ナイフ、新しい帽子ひとつを手にした時だってそうです、それをもって、外に行きたくなる。

そしてもうひとつが、感覚で自然というものを近くに感じたとき。

風の温度や植物のにおい、もちろんテレビやインターネットで圧倒的な自然界の映像を見た時もそうでしょう。そのように自然の何かを感じた時、それにインスパイアされ、私たちはフィールドに出て行きたくなる。

だから、私たちの心のどこかにある、「自然に対する想い」を揺さぶってくるような、そういった場所にすることを心がけました。

そして、その為に、特に着目したのが、自然の持つ野性味とそのスケール感でした。ですので、床材、天井材、擬岩、そしてほぼ全ての什器類には天然の無垢材を用いて野性味を表現し、そして、スケール感を表現するために、ほぼ全ての什器類についてそのサイズを大きくとり、また、最終的には、巨大なウッドウォールの作製に至ったというわけです。

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